STEEL MATERIAL INTRODUCTION 鋼材紹介
S35C
機械構造用炭素鋼のうち、炭素含有比率の代表値が35のものです。炭素量の幅としては、0.32~0.38のものになります。 炭素鋼を熱処理して強靱化するときに判断される炭素含有量の境目は、目安として約0.3%(S30C)を越えると所定の焼入温度から急冷すると硬化させることが出来ます。 故に、S35Cはそのままで、焼入焼き戻し・高周波焼入処理等の熱処理による強靱化が可能です。
この鋼材について問い合わせる◼用途
ボルト、ナット、工具、エンジン部品、生産機器 など
◼代表成分
S35Cの「35」は炭素鋼たる所以でもある「炭素」の含有量の代表値を示しています。
S35Cは炭素鋼に分類され、こちらは主に成分による規定が採用されています。具体的には、C(炭素)、Si(ケイ素)、Mn(マンガン)、P(リン)、S(硫黄)の含有率の範囲が定められており、S35C材はこうした組成上の規定があります。
S35C | C | Si | Mn | P | S |
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成分値 | 0.32~0.38 | 0.15~0.35 | 0.60~0.90 | 0.030以下 | 0.035以下 |
◼機械的性質
S35C | 引張強さ N/mm2 | 伸び % | 絞り % | 衝撃値 (シャルピー) J/cm2 | 硬さ (HBW) |
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機械的性質 | 570以上 | 20以上 | 55以上 | 98以上 | 167~235 |
◼加工性・特性
炭素鋼は、焼入れや焼きならし等の熱処理を行うことで強度をコントロールして使うことの多い材料です。
S25Cより硬くS45Cより柔らかい材料です。
S35Cは熱処理状態によって加工性や材料本来の特性は変化します。