STEEL MATERIAL INTRODUCTION 鋼材紹介
SNCM630
SNCM630は、「JIS G 4053 機械構造用合金鋼鋼材」に規定されているニッケルクロムモリブデン鋼の一種です。 SNCM630は、ニッケルクロムモリブデン鋼の中でも、クロム量(Cr)が2.50~3.50と最も高いため、焼入性が良く、焼戻しによる軟化も起こりにくいです。 焼入れ・焼戻し後の硬度は、HBWで302~352です。 比重:7.85。JISの旧名は”SNCM5”です。
この鋼材について問い合わせる◼用途
大型歯車、シャフト など
◼代表成分
SNCM630は、炭素量(C)を0.25~0.35、ニッケル(Ni)を2.50~3.50、クロム(Cr)を2.50~3.50、モリブデン(Mo)を0.50~0.70を含むニッケルクロムモリブデン鋼です。
SNCM630 | C | Si | Mn | P | S |
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成分値 | 0.25~0.35 | 0.15 ~0.35 | 0.35~0.60 | 0.030以下 | 0.030以下 |
Ni | Cr | Mo |
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2.50 ~3.50 | 2.50~3.50 | 0.30~0.70 |
◼機械的性質
SNCM630の機械的性質は、硬度(HBW):302~352、降伏点885N/ ㎟、引張強さ1080N/㎟、伸び15%以上、絞り45%以上、シャルピー衝撃値78J/㎠です。
SNCM630 | 引張強さ N/mm2 | 伸び % | 絞り % | 衝撃値 (シャルピー) J/cm2 | 硬さ (HBW) |
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機械的性質 | 1080以上 | 15以上 | 45以上 | 78以上 | 302~352 |
◼加工性・特性
SNCM630の切削性は、S45Cと比較した場合、ニッケルとクロム、モリブデンが含有されている分、粘り強くなり、切削性が劣ります。
加工し辛い場合は、切削し易いように焼きなましを行います。
また、熱処理としては、強靭鋼であるため、調質を行う場合が多いです。