STEEL MATERIAL INTRODUCTION 鋼材紹介
SUJ2

SUJ2は、「JIS G 4805 高炭素クロム軸受鋼鋼材」に規定されている軸受鋼です。 その名の通り、軸受(ベアリング)に使用されるため、耐摩耗性が高い鋼種です。 硬度は球状化焼きなまし状態でHBW:201以下と規定されていますが、焼入れ・焼戻し状態でHBW:620~710(HRC:58~63)程度まで硬度が上がります。 比重は7.85.
この鋼材について問い合わせる◼用途
一般用軸受、ボールベアリング、ローラベアリング、スライドシャフト etc
◼代表成分
SUJ2は、炭素量(C)を0.95~1.10を、クロム(Cr)を1.30~1.60を含む軸受鋼です。
SUJ2 | C | Si | Mn | P | S |
---|---|---|---|---|---|
成分値 | 0.95 ~1.10 | 0.15 ~0.35 | 0.50以下 | 0.025以下 | 0.025以下 |
Cr | その他 |
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1.30 ~1.60 | Cu、Niは各0.25%以下 |
◼機械的性質
SUJ2の機械的性質は、球状化焼きなまし状態の硬度しか規定がありません。
上述ですが、SUJ2の硬度は、球状化焼きなまし状態でHBW:201以下と規定されています。
一般的には、焼入れ・焼戻し状態でHBW:620~710(HRC:58~63)程度まで硬度を高めて、ベアリングやシャフトになります。
SUJ2 | 焼きなまし硬度(HBW) |
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焼きなまし硬度 | 201以下 |
◼加工性・特性
SUJ2は、通常球状化焼きなまし状態で切削加工されるため、切削性はS45Cとほとんど変わりません。
製品として耐摩耗性が必要とされる用途で使用されるため、切削加工後に調質を行い、HRC:58~63程度まで硬度を上げます。
ボールベアリング、ローラベアリングでの使用例が多いですが、耐摩耗性に優れていることから実際には様々な部材に使われています。
また、耐食性を必要とする場合にはSUS440Cが用いられます。